最近、「優良派遣事業者」を謳っている派遣会社が目立つ。
派遣会社を選ぶ際に、「優良派遣事業者」かどうかも選択基準の1つとして考えた方が良さそう。そうしないと、とんでもない派遣会社で、とんでもない目に遭う可能性も否定できない。
「優良派遣事業者」とは
「優良派遣事業者認定」とは、厚生労働省の委託事業のようだ。
優良派遣事業者の認定は、認定を受けようとする事業者から提出された申請書類等により申請の要件を満たしていることを確認した後、次に掲げる基準を一定以上満たす事業者に対して行われる。
認定基準
認定基準は以下の4項目に渡り、さらに細かい項目に分かれている。
Ⅰ 事業体に関する基準
Ⅱ 派遣社員の適正就労とフォローアップに関する基準
Ⅲ 派遣社員のキャリア形成と処遇向上の取り組みに関する基準
Ⅳ 派遣先へのサービス提供に関する基準
派遣される側の視点
派遣される身としては、「Ⅱ 派遣社員の適正就労とフォローアップに関する基準」と「Ⅲ 派遣社員のキャリア形成と処遇向上の取り組みに関する基準」が特に気になるところ。
派遣会社の中には、派遣したらしっぱなしで何もしない会社もある。何ヶ月かに一度、面談をする程度。その時に困っていることを相談しても、派遣先と交渉してくれない派遣会社もある。解決しようとしなければ、単なる話し相手でしかない。面談の意味がない。
派遣会社がいくらサイト上で声高に「コンプライアンス/法令遵守」だの「キャリア形成」を謳っていたとしても、客観的に認められているのかどうか。
優良派遣事業者として認定されているかを知ることで、派遣会社を選ぶ側も冷静な目で判別できる。
この認定基準で完璧?
優良派遣事業者認定の基準を概観しながらふと思ったのは、派遣社員の意見がどれだけ反映されているのかということ。
もしかして派遣会社側の一方的な申告だけで申請されているのではないか。
もしそうだとすれば、派遣社員のリアルな声を認定基準の中に反映せずに、「優良」と認定してしまうのは、何かが欠落している。派遣社員にもいろいろな人がいるから、100パーセントの満足度を得るのは難しいけれども。
その派遣会社、優良派遣事業者ですか?
優良派遣事業者制度は、誰にとって優良なのだろうか。派遣社員にとって、その派遣会社が「優良」か否かは、就業中に問題が起きた時と辞めるときによく分る。
優良派遣事業者に認定された派遣会社が、実際にどの程度派遣社員に親身になってくれるのかはわからない。けれども、玉石混淆の派遣会社の中で、ある程度の基準を満たしているかが、選ぶ側から目で見て分かるのは助かる。
優良派遣事業者として認定されている会社名は、以下のサイトで公開されている。応募する前にその会社が優良派遣事業者かどうか調べてみてはどうだろう。
また、今派遣社員として働いているならば、自分が所属している派遣会社が優良派遣事業者かどうかを調べるのも、今後の身の振り方を考える上で有益だろう。