「令和」に決定(元号をやめてほしかったんだけど)

平成31年(2019年)4月1日(月)

11:25 閣議終了

(この間に、書道家が心を落ち着けて新元号を書いている?)

11:42 新元号発表

ついに新元号が発表された。

新元号は「令和」(レイワ)。

発音は「レイ」が高くて「ワ」が低いパターン?。菅官房長官はフラットな感じで「レイワ」と発音していたようだったけど、安倍首相は「レイ↑ワ↓」と言っていた。『スターウォーズ』に登場する「レイア」「明治(メイジ)」と同じ発音でいいんだろうか。

まぁ、そのうち落ち着いてくるだろう。

それはさておき日本独自の文化である「元号」。

元号ってやめてほしかったんだけど。

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新元号は「令和」出典は『万葉集』

政府関係者でもなく学者でもない自分の抵抗が届くはずもなく、とにかく新元号は「令和」(れいわ)に決定した。ローマ字表記は「Reiwa」。

「令和」の出典は『万葉集』。

『万葉集』は日本最古の歌集で、階級を問わず、貴族から一般庶民まで幅広い人々の歌が入っている。

『万葉集』(まんようしゅう、萬葉集)は、7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集である。天皇、貴族から下級官人、防人などさまざまな身分の人間が詠んだ歌を4500首以上も集めたもので、成立は759年(天平宝字3年)以後とみられる。(『万葉集』Wikipedia 閲覧日:2019/04/01

「令和」という元号は、第5巻「梅花歌卅二首并序(うめのはなのうたさんじゅうにしゅあわせてじょ)」の序文からの引用だとか。

では『万葉集』の原文を見てみよう。

于時初春令月 氣淑風和梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香 (バージニア大学『万葉集』データベース)

漢文だった…。

これは天平2年(西暦730年)に偉い人の家で宴会があったときの歌集についた序文の一部らしい。この序文に含まれる「令」と「和」が合わさって「令和」になった。

安倍首相が会見で発表した読み下し・書き下し文は以下のとおり。

初春の令月(れいげつ)にして、氣(き)淑(よ)く風(かぜ)和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す。(安倍首相会見より)

「初春の令月にして、氣淑く風和ぎ~」の意味

ちゃんとした意味は、テレビとかで偉い先生方があちこちで解説するだろうから、ここでは自分なりの解釈を書いてみよう。(正しいとは限りません)

初春の令月にして

初春の~:前文に「 天平二年正月十三日 萃于帥老之宅 申宴會也」とあるので、時は天平2年(西暦730年)正月。当時は儀鳳暦(ぎほうれき)だった(暦Wiki)。なので正月は現行のグレゴリオ暦なら2月8日あたりかな(「和暦年別表」)。

令月:「令月」は『広辞苑』(六版)にも載っている。

① 万事をなすのによい月。めでたい月
② 陰暦2月の異称

「令」は、「命令」「号令」のように、上から下へ何かを言い付ける時にも使われる。しかし「令」には「よい、すぐれた、りっぱな」という意味がある(『新漢語林』)。たとえば、「令室」「令嬢」「令息」が分かりやすい。この接頭語の「令」には、大切に思う気持ちが含まれる。

今回は元号にする造語を考え出すにあたって、接頭語の「令」が持つ意味を使ったのだろう。

だから漢字を説明するときは「命令」の「令」ではなく、「令嬢」「令息」の「令」と言う方が、意味が正しく伝わる。

BBCは「令和」の意味を「秩序と平和もしくは調和」("order", and "peace" or "harmony")”と書いてるけど、日本人の自分には違和感がある。

氣淑く風和ぎ

氣(き)淑(よ)く:春になってきて人々の気分がよいのか、空気が温かく、いい感じになってきたのか、どっちか。

風(かぜ)和(やわら)ぎ:冬の厳しく冷たい風から、春の風へなごんできた様子が見える。

梅は鏡前の粉を披き

梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き

擬人法?

梅の花は鏡の前にある白粉(おしろい)を開いてお化粧する、つまり花が咲いて美しくなる、と読める。

蘭は珮後の香を薫す

蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す

『万葉集』にすでに「蘭」と呼ばれる花があったのが驚き。そして今でも同じ名前で呼ばれる花が残っているのもびっくり。「万葉の植物」というサイトによれば「シュンラン」らしい。

珮(はい):珮(はい)とは大辞林 第三版によれば、「古代の装身具の一。腰帯とそれにつりさげた玉ぎよく・金属器などの総称」のこと。

ということから、蘭の花は、珮(はい)と呼ばれる帯についている飾りの後ろの香りを放つ。

つまり、続けると以下のとおり。

初春2月、大気は人々にここちよく冬の冷たい風が温かく和むころ。鏡の前の白粉(おしろい)を開いてお化粧するように梅は美しく咲きほこり、蘭は、帯飾りの珮(はい)の後にしたためた香りを高らかに放つ。

なるほど。

梅ー蘭、(鏡)前ー後、化粧(視覚)ー香り(嗅覚)

という対句になっている。

Abema TVの解説では、当時、桜はなく、花と言えば梅だったとか。

西暦に統一しろ!

それにしても、西暦と日本独自の元号が日常生活の中で混ざっているのは面倒くさい。

最近は西暦で書く書類も多いけれど、官公庁などは、元号を使う。だから役所関係の手続きとか、特に確定申告のときは、計算に弱い自分はかなり混乱する。

5月からは、西暦年から2018を引くと令和の年になる。

面倒くさい。二度と元号なんか使わなくていい。

とにかく元号は日本でしか使っていないのだから、西暦に統一してほしい。

自分は西暦と元号がいつもぐちゃぐちゃになるので、

お願いだから西暦に統一して!

と、常日頃から思っていた。

新元号が発表される数日前まで。

しかし…

「西暦」についてちょっと考えてみると、西暦元年は、確かキリストが生まれた年じゃなかったかな…?

Google先生によれば、

キリストの誕生の年(実は生後四年め頃)を元年として数える、年代の数え方。

とのこと。

ということは、冷静に考えると、「西暦」はキリスト教という一つの宗教が基準になっているということになる。

なんかイヤ!

急にナントカ教に基準を統一させられるのが感情的にイヤになってしまった。

日本は元号があっていい

自分は特定の宗教の信者ではないけれども、基準がどっか一つの宗教に取り込まれると思ったとたん、「元号やめて!」とずっと思っていた考えが一転した。

日本は元号を使おう!!

日本は西洋文化と独自の文化が混ぜこぜになっているのがいいところ。

だから「元号」という日本独自の文化は、これからも残っていてほしい。

いいじゃん「令和」。

「和を以て貴しとなす」

「和を以て貴しとなす」としたのは聖徳太子。

前述したように「令」を良い意味合いを持つ言葉とすれば、「令和」の「令」は、「和」大切にする意味になる。

「令和」の根幹は「和を以て貴しとなす」のような気がする。

参考サイト:「竹取翁と万葉集のお勉強」
「万葉集を読む」
「万葉集入門」

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