「なでしこジャパン」って……。

たまには珍しくタイムリーな話を……。
女子サッカーの日本代表がいつの間にか「なでしこジャパン」と呼ばれている。
「サムライジャパン」と対になってるのは分かるけど、この呼称には違和感がある。
そもそも、「大和撫子」の略だろうが、この「なでしこ」の使い方が間違っている。
たとえば時代劇で、「あの方は大和撫子のカガミでござる」とか言われて褒め称えられる女性は、たいてい奥ゆかしくて、言いたいことも言えず、男の言いなりになるような自主性のない人物だ。
そんな弱々しい言葉を、世界と果敢に戦う彼女らに使っていいのか。
日本代表チームだぞ。
と、ニュースを見ながら、かねてより憤然としていた。
今日、その「女子サッカー日本代表チーム」が、北朝鮮と戦い、引き分けという結果ではあったけれども、ロンドンオリンピックの出場権を獲得した。
おめでとう!!
そして各報道番組で「なでしこジャパン」と口を揃えて呼ぶ。
それでいいのだろうか。
こうなったら『広辞苑』にキッパリ定義してもらおう。
「ヤマトナデシコ」とは、「①ナデシコの異称。 ②日本女性の美称」。
……あれ? それだけ?
同じ電子辞書に入っている『明鏡国語辞典』は……?
花の名前+「日本女性の美称」に加えて、「見かけは弱そうだが、心の強さと清楚な美しさを備えている意」だって。
どこにも「奥ゆかしくて、言いたいことも言えず、男の言いなりになるような自主性のない女性」なんて、一言も書かれていない。
……つまり、自分の語意理解が違ってたってこと……?
そうか……。
そうだったのか……。
「なでしこジャパン」も、あながち間違いってわけじゃないのか……。(反省モード)
じゃ、『広辞苑』や『明鏡国語辞典』を含む全ての国語辞典が、次回改訂する時には、絶対に語義を増やすべきだ。
「③困難を乗り越えて世界に立ち向かい、対等に戦う女性の美称」と。
うん、絶対に。

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